革財布などのレザーは、使い続けることで皮脂が染み込み柔らかくなっていきます。
しかし「買ったばかりの革製品」「乾燥で油分が抜けたレザー」などはハリがあり硬いものが多いです。
そこで今回は少しでも早く手に馴染ませるために、革財布を柔らかくする方法をご紹介。
革を柔らかくするのに必要な「オイル」「クリーム」の特性や注意点も紹介しているので参考にしてください。
20代前半に土屋鞄製造所の革財布を購入し、革の魅力に目覚める。その後、WEBメディア事業主軸の会社に入社し、ライターからWEBディレクターまでを経験。革製品の魅力を広く伝えたいという気持ちが強くなり、2019年に独立して『東京革財布』を開設。これまで土屋鞄製造所、GANZO、CYPRIS、Hallelujah、SYRINXなど40種以上の財布・革製品を使用。豊富なレビュー経験とライタースキルを活かし、長く愛用してもらえる革製品と出会えるサイトづくりに努めている。
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革財布を柔らかくする3つの方法
無理なく自然な革の柔らかさを生み出す方法が以下の3つ。
- 革を揉む
- 革にオイル・クリームを塗る
- 革用の柔軟剤を塗る
他にも「お湯に浸す」「ドライヤーで熱を加える」といった情報がありますが、本革をケアするには適していません。
後述でお話ししますが、革へムリに熱を加えると変色や変形の原因になります。
①革を揉んでほぐす
皮革はコラーゲン繊維が絡まって形成されているので、買ったばかりの革財布だと揉むことで詰まって固まった繊維がほぐれて柔らかくなります。
ただし力一杯に揉むと型崩れの原因になりかねません。
無理やり揉むのではなく、優しくほぐすことで自然な柔らかさに仕上がります。
②革にオイル・クリームを塗り込む
乾燥や水濡れによって革がカサカサに固まっている場合は、レザーオイルやクリームを塗り込んでください。
特に革財布が水に濡れると、染み込んだ水分と一緒に革の内部の水分も蒸発します。
その結果、レザー本来の水分がなくなり硬くなるので雨で蒸れた際などはオイルが効果的です。
またオイルを塗ることでレザーの繊維に浸透して柔らかくなるだけでなく、オイルコーティングによって水が染み込みにくくなります。
革を柔らかくするのに最適なのが、次の2つのアイテム。
※後述で2つのアイテムの違いを解説しているので、興味がある方はこのまま読み進めてください。
- ミンクオイル
- 乳化性クリーム
オイルやクリームを塗り込むことで革財布が柔らかくなるだけでなく、高いエイジング効果も期待できます。
革を柔らかくするためのオイルの塗り方
専用オイル・クリームでレザーケアをする際は、下記の手順で塗ってください。
- ブラシでゴミやほこりを落とす
- 乾いたクロス(布)でクリームを塗る
- クリームが浸透するまで革財布を乾かす
- 別の乾いた布で余分なオイルを乾拭きする
- 最後にブラッシングしてツヤを出す
オイルを塗る際のポイントは「米粒程度の量を少しずつ塗る」こと。
いきなり大量のクリームをクロスにつけて塗ると、ムラができてシミになる可能性があります。
また「④ブラッシング」は、余裕があれば行う程度でOK。
ツヤ感を出したりしないのであれば省いても構いません。
後述で「おすすめのレザーオイル・クリーム」も紹介しているので、まだお持ちでない方はそちらも参考にしてください。
③革用の“柔軟剤”を塗り込む
革の柔軟効果の高さと即効性を求めるなら「革用柔軟剤」がおすすめ。
革に栄養を与えるクリームやオイルに対し、柔軟剤はその名の通り硬いレザーを柔らかくするアイテムです。
本来は硬い革靴向けのアイテムですが、おなじレザー素材の革財布にも使えます。
なかでもおすすめなのが、業務用としてプロもつかっている『レザードレッシング』という柔軟剤。本革を加工するときにつかう、“なめし剤”が配合されているので革にやさしいのが特徴です。
愛用者からも、以下のような声がAmazonレビューに寄せられています。
- 「効果は凄いです物凄く柔らかくなりました。」
- 「ダメもとで使用したら嘘のように柔らかくなりました。」
引用:Amazon
日本メーカーで信頼性もあることから、革財布が硬くて困っている!という方は試す価値ありです。
革を柔らかくするのにNGな方法
財布の革を柔らかくするためとはいえ、下記の方法を行うのは控えてください。
- 革財布をお湯に浸す
- ドライヤーで温める
革財布で上記のような対応をすると、かえってレザーが傷む原因です。
①革財布をお湯に浸す
革をお湯につけて柔らかくするのは、かなりの荒技です。
野球のグローブといった耐久性の高い製品ならまだしも、革財布のような小物製品だとレザー表面が剥がれたり乾燥を加速させる原因になります。
(実際、野球の新品のグローブはお湯につけて柔らかくするという方法があります。)
革の扱いを相当熟知している方ならまだしも、あまり慣れていない方なら“革をお湯に浸す”のはやめてください。
②ドライヤーやヒーターで革に熱を加える
熱を加えるとレザーが柔らかくなりやすいですが、ドライヤーやヒーターなどで無理に熱を加えると革内部の水分まで蒸発しかねません。
また雨などで水に濡れた場合でも、焦ってドライヤーで乾かすのはやめましょう。
革財布などのレザー製品は自然乾燥が鉄則です。
ただし本革ではなく「合皮の製品」の場合だと、表面が伸びるので効果的。
あくまでも合皮製品の対処方法なので、本革財布をお持ちの方はドライヤーやストーブなどで熱を加えないようにしてください。
本革財布を柔らかくするオイル・クリーム紹介
まだレザー用のオイルやクリームを持っていない方のために、おすすめの商品を紹介します。
そもそもオイルとクリームには、以下のような違いと特徴があります。
- 【ミンクオイル】
⇒油分が多いので革が柔らかくなりやすい - 【乳化性クリーム】
⇒オイルよりも油分が少ないので慣れていなくてもシミになりにくい
ミンクオイルは油分が多いのでレザーが柔らかくなりやすいですが、適量を塗らないとカビやシミの原因になるのがネック。
一方で乳化性クリームは油分がそこまで多くないので、シミやカビ繁殖が起こりにくいです。
これから革財布をケアしていく方は乳化性クリームからメンテナンスするのがおすすめです。
【乳化性クリーム】おすすめは「コロニル1909」
革財布を柔らかするための乳化性クリームで代表的なのが「コロニル1909」。
革を柔らかくするだけでなく以下のような効果もあるので、エイジングケアには欠かせない存在です。
- 皮革への浸透力が高い2つの天然オイルをブレンド
- 革へ栄養を与えられる
- フッ化炭素樹脂で撥水効果をもたらす
- 深みのあるツヤ出し効果も期待できる
このように高品質な原料で作られているだけでなく、ツヤ出し効果もあります。
筆者もコロニル1909を愛用していますが、浸透力が高いのでケア後でもベタつきがありません。
しっとりとした仕上がりになるので、革財布のケアがいつも楽しいです。
(個人的にはコロニル独特の香りがクセになり好きです。)
値段が一般的なクリームより若干高めですが、それだけ品質と効果は保証できます。
おすすめのレザークリームを他にも知りたい方は、下記ページもチェック
【ミンクオイル】おすすめは「コロンブス」
「コロンブス ミンクオイル」は、保革オイルの中でもAmazonベストセラー1位になるほどメジャーな商品。
以下のような特徴から多くの革好きから支持されています。
- 動物性ミンクオイルで皮革に馴染みやすい
- ベタつきにくくしっとり仕上がる
- 600円台とリーズナブル
ミンクオイルはベタつきやすい商品が多いですが、コロンブスはベタつきにくいのが特徴。
また動物性の純粋ミンクオイルにも関わらず1,000円以下とリーズナブルなので、初めての革手入れでも始めやすいです。
まとめ:革を柔らかくするのは“経年変化”の第一歩
革財布を新調したばかりの方は、早く革を柔らかくして手に馴染ませたいと思う方が多いはず。
少しでも早く自分の手に馴染む革財布にするためにも、今回紹介した3つの方法を試してみてください。
- 革を揉む
- オイル・クリームを革に塗る
- レザー用の柔軟剤を塗る
また今回紹介した柔らかくする方法は、水で濡れて硬くなった革にも効果的。
乾燥でハリが出て硬くなった革を放置していると、ひび割れの原因にもなるのでオイルやクリームを塗ってあげましょう。
革財布を柔くすることは経年変化の第一歩とも言えるので、少しずつ自然な柔らかさに仕上げてみてください。