みなさんはミンクオイルの正しい使い方をご存知ですか?
ミンクオイルはクリームタイプよりも扱いがデリケートで、使い方を間違えると革財布にシミやカビができてしまいます。
このページでは、定番人気の「コロンブス」のミンクオイルをつかい革財布への塗り方や効果をご紹介。成分や注意点、どんな時に使うべきかなども解説していきます。
東京革財布
運営者
20代前半に土屋鞄製造所の革財布を購入し、革の魅力に目覚める。その後、WEBメディア事業主軸の会社に入社し、ライターからWEBディレクターまでを経験。革製品の魅力を広く伝えたいという気持ちが強くなり、2019年に独立して『東京革財布』を開設。これまで土屋鞄製造所、GANZO、CYPRIS、Hallelujah、SYRINXなど40種以上の財布・革製品を使用。豊富なレビュー経験とライタースキルを活かし、長く愛用してもらえる革製品と出会えるサイトづくりに努めている。
ミンクオイルの革財布への効果《写真で比較》
ミンクオイルを革財布に〈塗る前と塗った後の変化〉がこちら。
写真からわかるように、革財布にミンクオイルを塗ったことで細かな擦り傷が消えました。
またその他にも、次のような効果があります。
- 革の表面が滑らかになった
- やや革にツヤが戻った
- 乾燥によるカサつきがなくなった
写真ではわかりませんが、塗布前よりも革表面が滑らかになりました。
新品の革財布って、独特の滑らかな肌触りがありますよね。あれは革が十分な油分を持っているからなのですが、そんな新品の頃に戻ったような仕上がりです。
革表面をオイルがコーティングしているので、乾燥によるカサつきも改善されています。
ミンクオイルをつかった革財布の手入れ方法
革財布へのミンクオイルの使い方がこちら。
- ブラッシングでホコリ・ゴミを落とす
- ミンクオイルを指で塗り込んでいく
- ミンクオイルが革に浸透するまで待つ
- 余分なオイルを乾拭きする
ポイントは「指で塗る」「浸透するまで待つ」という点。詳しくは後述していますが指で塗ることで艶が生まれ、浸透するまで時間をおくことで余計なトラブルを防げます。
手入れの各ステップを詳しくみていきましょう。
①ブラッシングでホコリ・ゴミを落とす
まずは馬毛ブラシで、財布についたホコリやゴミを払い落としていきます。
汚れが残った状態でミンクオイルを塗ると、オイルがコーティングして汚れが財布に残ってしまいます。柔らかい布を代用してもいいですが、生地の繊維がつく可能性もあるので馬毛ブラシがおすすめです。
馬毛ブラシは革製品の手入れでは必需品なので、一つ持っておくといいでしょう。
馬毛ブラシにこだわりがなければ、創業100年以上の老舗レザーケアブランド 「コロニル」の馬毛ブラシを選んでおけば間違いなし。
弾力性のある馬毛でしっかり汚れを払い落とせて、Amazonでも700件以上の口コミで高評価です。
指先にちょこんとオイルがつく程度でOK[/caption]
ミンクオイルは浸透力が高いので塗った直後はベタつきやすく、次のようなリスクを引き起こしかねません。
- ベタつきでゴミが付着する
- シミやカビの原因になる
少量をレザーにつけて、指でうすーく伸ばしながら塗っていきましょう。
③ミンクオイルが革に浸透するまで待つ
革にミンクオイルが浸透するまで、1〜2時間ほど放置します。
オイルを塗った直後は革がベタついているので、すぐに財布を使えません。浸透するまで時間がかかるので、「寝る前にオイルケアして翌日財布を使う」という流れがおすすめです。
④余分なオイルを乾拭きする
オイルを浸透させたら、革財布に残った余分なオイルを柔らかい布で乾拭きしましょう。
オイルが残っていると、前述したようにゴミの付着やシミ・カビの発生を招きかねません。革財布を良い状態でキープするためにも、最後の乾拭きは忘れないようにしてください。
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【注意点】ミンクオイルを塗りすぎると劣化の原因に
上述でもお伝えしましたが、ミンクオイルを革財布に塗る時は少しずつ塗布することが大切。ミンクオイルを塗りすぎると、次のようなトラブルになりかねません。
- シミ
- カビ
- 柔らかくなりすぎによる形崩れ
- ベタつきでゴミが付着する
ミンクオイルは浸透しやすいので、量が多いとシミになる可能性が高いです。
(僕もはじめて使った時に、塗布量がわからずシミになった経験があります。)
またミンクオイルのような動物性の油は、カビ菌の好物。余計なオイルが革財布に残っていると、カビが発生しやすくなります。
以下の写真のように、オイルが表面に残ってベトベトしている状態は塗りすぎです。
ミンクオイルを革財布に塗る時は、革の状態にもよりますが「ちょっと足りないかも」くらいがベスト。手入れの頻度は1ヶ月に1回ほどが目安です。
初めて使われる方は、やや足りないくらいの量を塗布して様子をみてください。
そもそもミンクオイルとは?配合成分について
ミンクオイルは、上記写真にもあるように3つの成分からできています。
- ろう(ツヤ出し)
- 動物性油脂(ミンク由来)
- 流動パラフィン
ミンクオイルが革財布のケアで選ばれる理由は、動物性のオイルをつかっているから。主成分となる動物性油脂は、「ミンク」という動物の皮下脂肪を原料としたオイルです。
天然オイルには「動物性」「植物性」があります。革はもともと動物の皮なので、その中でも動物性油脂はレザーに馴染みやすいというわけです。
ミンクオイルはどんな革に使うべき?使用NGのレザーとは
前述の「成分表示の写真」にも記載されていますが、ミンクオイルはオイル仕上げの革の使用に推奨されています。
とはいえ、動物性のオイルで革との相性はいいので、塗りすぎなければミンクオイルは定番の革財布に使えると思っていいです。
(筆者も革靴や財布に塗ったことがありますが、失敗したことはありません。)
ただし次のような皮革素材だけは、ミンクオイルの使用を避けてください。
- 爬虫類系のレザー(クロコやパイソンなど)
- スエード調レザー
- 特殊加工のレザー
- 「オイル塗布禁止」が謳われている革製品
また「ヌメ革」と呼ばれる植物由来の成分だけで仕上げたレザーは、オイルが浸透しやすいので“少量ずつ塗る”を絶対に忘れないようにしましょう。
「スプレータイプ・リキッドタイプ」もある
ミンクオイルは定番の固形タイプの他に、「スプレータイプ」「リキッドクリームタイプ」があります。
スプレータイプは革財布全体に満遍なく塗布でき、手軽にオイルケアできるのが特徴。防水スプレー感覚で、革の劣化が気になった時にサッとケアできることで人気です。
リキッドクリームタイプは従来ものとは違い、“アンメルツ”のように本体から直接クリームを革財布に塗る仕組みです。部分的な革のケアや、「クリームをクロスにつけて塗るのが面倒」という方に選ばれています。
固形タイプは、1,000円以下とコスパが良いので初心者にはおすすめ。ミンクオイルの仕上がりを試せた方は、用途に合わせてスプレーやリキッドを選んでみるといいでしょう。
日頃のケアは「乳化性クリーム」が最適【違い・使い分け方】
ミンクオイルは、革財布が硬い時やダメージが目立った時に使うのがおすすめ。日頃の革への栄養補給は、乳化性クリームが最適です。
ミンクオイルは浸透力があるとはいえ、革表面をコーティングする役割が強いです。ミンクオイルだけで革財布を手入れしていると革が皮膚呼吸できない上に、革が柔らかくなりすぎてしまうからです。
一方、乳化性クリームは「水」が含まれているので、乳液のように“とろみ”があります。革の内部に染み込んで栄養補給できるので、レザー表面をコーティングしにくいというわけです。
まとめると以下のような使い分けになります。
- 購入当初で財布の革が硬い
⇒ミンクオイル
※ただし使い始めの革財布は油分が多いので、硬さが気にならなければ塗布しなくてOKです。 - 今持っている革財布の手入れ
⇒乳化性クリーム - ダメージが目立ってきた革財布の手入れ
⇒ミンクオイル
乳化性クリームを選ぶなら、老舗レザーケアブランド 「コロニル」がおすすめ。私も愛用していますが、クリームの浸透力がこの上なく良いです。
ツヤ出し効果や撥水作用もある最高級クリームなので、買って損はありません。
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レザークリームをつかった手入れ方法は、こちらのページで紹介しています。
まとめ:ミンクオイルを革財布の手入れに使う方へ
ミンクオイルによる革財布の手入れ効果は一長一短ですが、使いどころや使い方を正しく見極めれば満足のいく仕上がりになります。
一度使ってみれば、どうしてコロンブスのミンクオイルが人気なのかきっとわかるはずです。
柔軟性アップの作用から革靴の靴ずれ対策にも最適で、革製品を持っている方はいろんなシーンでミンクオイルが役立ちます。
価格も600円前後とお手頃なので、気になる方は一度試してみてください。
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また流動パラフィンは石油・原油を精製した成分。皮膚の保護作用や柔軟性を高める作用があります。
この流動性パラフィンのはたらきもあり、ミンクオイルは革を柔らかくする効果に長けているんですね。