革財布のレザーで代表格とも言えるのが牛革(カウレザー)。重厚感と上品で繊細な質感が特徴で、高級革製品にも多く使用されています。
ライダースジャケットにも使用されるので、カウレザーの質感をご存知でない方はライダースの「丈夫で滑らかな質感」をイメージしてみてください。
今回はそんな上質な牛革財布の特徴や種類、手入れ方法を紹介します。
これから牛革財布を購入される方だけでなく、すでにお手にされている方もカウレザーの魅力に浸っていきましょう。
牛革(カウレザー)財布の3つの特徴
牛革は以下のような特徴から、革の長財布・二つ折り財布の素材として好まれています。
- 繊細でキメが細かく表面が美しい
- 頑丈で長く経年変化を楽しめる
- 牛の年齢や部位によって特性が変わってくる
また牛革は植物成分「タンニン」による“なめし”によって、牛の傷やシワ、血筋など自然的で生を感じるヌメ革にもなります。
※「なめし」とは動物の皮を樹液や薬品で加工し、製品として使える状態にすることです。
【特徴①】繊細できめ細かく表面が美しい
加工にもよりますが、一般的な牛革はキメが細かく滑らかな質感が特徴です。
上品な風合いのレザーなので、高級革財布にも多く使用される素材。
また傷跡やシワ、毛穴の痕といった自然で動物的な革の表情もみられます。
【特徴②】 丈夫で長く経年変化を楽しめる
牛革は皮の繊維の密度にバラつきがなく厚みが均一。
そのため丈夫で長く愛用できるレザーです。
また長く使い続けられるので日光を浴びたり手の皮脂がつくことで色あせ、経年変化を楽しめます。
▼カウレザーの経年変化の様子▼
上述したようにカウレザーは滑らかな質感なので、エイジングすることで表情豊かなレザーに育ちます。
【特徴③】 種類が多く質感に多様性がある
一言で牛革といっても、牛革は牛の年齢や性別、加工部位によって大きく6種類に分かれます。
- ハラコ
- カーフ
- キップスキン
- ステアハイド
- カウハイド
- ブルハイド
そのため皆さんが求める財布の質感や革の厚み・柔らかさごとで、カウレザーの種類を選ぶ楽しさがあります。
後述でカウレザー各種類の特徴をご紹介するので、皆さんの牛革財布選びの参考にしてください。
牛革財布のメリット・デメリット
ここまでご説明してきた牛革の特徴を踏まえて、カウレザー財布のメリット・デメリットをまとめてみました。
【メリット】
- 革の風合いを楽しめる
- 丈夫で長く使える
- 好みの革の種類を選べる
【デメリット】
- 革が硬い
- 輸入頼りになり高価になりやすい
【メリット】頑丈で長く愛用でき変化を楽しめる
牛革の長財布や二つ折り財布を愛用する魅力がこちらの3つ。
- 革の風合いを楽しめる
- 丈夫で長く愛用できる
- 好みの革の種類を選べる
牛革は革の経年変化がはっきりと表れるので、使い続けることで表情豊かに色あせて育ちます。
また耐久性が高く型崩れしにくいのもポイント。
財布は硬貨やカード類で型崩れしやすいですが、カウレザーは革が硬いので型崩れにも強いです。
きちんとエイジングすることで、10年20年と長く愛用できるんですね。
【デメリット】革が硬く値段が上がりやすい
牛革の長財布・二つ折り財布のデメリットが以下の2つ。
- 革が硬い
- 輸入頼りになり高価になりやすい
カウレザーはその頑丈さゆえに革が硬いです。
初めは硬いですが、使っていくうちに柔らかく馴染んできます。
また牛革は国内供給できず、外国輸入に頼るため価格が上がりやすいのもネック。
牛革は個体や年齢によってレザーの種類・ランクが異なりますが、稀少性の高い素材になると高価な財布が多いです。
柔らかい革は、豚革・山羊革・羊革などがおすすめ。
牛革以外の財布のレザー素材については、下記でまとめています。
6種類の牛革(カウレザー)の特徴
先ほどお伝えしたように、牛革は牛の年齢や性別によって主に6種類に分けられます。
種類によって、
- 手触り
- 弾力
- 耐久性
などっが違ってくるので、牛革の種類は財布選びでも大きなポイントです。
ここからは牛革の種類ごとの特徴をお伝えするので、財布選びの参考にしてください。
【①ハラコ】最高級レザーと名高い革素材
胎児〜生後間もない仔牛の革。
ほんとど流通しないため「最高級レザー」とされています。
短い毛が生えており、財布のアクセントに用いられることが多い素材です。
【②カーフ】きめ細かく滑らかな美しさが特徴
生後6ヶ月以内の仔牛の革。
若い仔牛のため傷が少なく、キメの細かい表面が特徴です。
滑らかで美しい質感から「最も質の高い革」と評され、製品に使用できる面積はごく少数しかありません。
希少価値が高く美しい質感から、高級革製品に用いられています。
【③キップスキン】繊維が高密で加工しやすい
生後6ヶ月〜生後1年未満の牛の革。
カーフレザーに比べると多少キメは荒いですが、
- 繊維の密度が高い
- 丈夫で加工しやすい
といった点が特徴です。
キップスキンも高密度な繊維や加工のしやすさから、高級素材として革財布に用いられています。
【④ステアハイド】カウレザーの中でも耐久性が高い
「生後2年以上で、去勢済みのオス牛(成牛)」から加工されたのがステアハイドです。
去勢すると穏やかでケンカをしない性格になるので、革の表面に傷がつきにくいのが特徴。
キップスキンに近い質感がありながらも革に厚みがあり、カウレザーの中でも高い耐久性を誇ります。
【⑤カウハイド】バランスの良い代名詞的存在
生後2年以上で出産を経験した“メス牛”の革をカウハイドと呼びます。
ステアハイドに比べ以下のようにバランスの良いレザーです。
- 柔らかい
- 革の厚みがキップスキンとステアハイドの中間程
このように柔らかく程よい厚みがあるので、カウレザーの代名詞とも呼べる素材です。
上品で扱いやすいことから、革財布の素材に多く選ばれています。
【⑥ブルハイド】荒々しくワイルドな質感
生後3年以上経った繁殖用のオス牛の革がブルハイド。
ステアハイドのように去勢されていないので気性が荒くケンカが多いため、キメの荒い表面になっています。
しかしケンカをする中で硬い皮になっているので、ステアハイドを凌ぐ耐久性が特徴です。
ワイルドで硬化な質感の財布を求める方に向いています。
牛革素材の財布の手入れ方法
牛革財布の手入れは、基本的には乾拭きで表面のホコリや汚れを落とす程度で十分です。
“半年以上”使用して革表面にカサつきなどが見られたら、以下のようにメンテナンスしてあげましょう。
手入れ方法 | 手入れ頻度 |
ケアオイル・クリームをクロス(布)で「円を描く」ように塗ってください。 クリームを塗るときは、米粒程度をクロスに出して少しずつ塗りましょう。 | 1〜2ヶ月に1回 |
また雨で濡れた場合、そのままにしておくとシミになります。
牛革財布が濡れた際は、乾いたタオルでポンポンと軽くたたくように拭き取ってください。
ごしごし擦って拭くとかえってシミが残りやすくなります。
水分を拭き取ったら財布を乾かして、オイルクリームを塗り革の過度な乾燥を防ぎましょう。
雨の日に外出先で財布が濡れてシミができても、オイルクリームを塗れば問題ありません。
オイルを塗ることで革内部の水分が浮き上がりシミが目立たなくなります。
また日頃からオイルでケアしていると、多少の水分は弾くので大きなトラブも回避できます。
牛革財布のメンテナンスに必要なアイテム
革財布の手入れ道具を持っていない方は、下記の3つは最低限揃えておいたほうがいいでしょう。
カウレザーと長く付き合うためにも、参考にしてください。
- 革製品用オイルクリーム
- レザー用クロス
- 革用ブラシ
①革製品用オイルクリーム
レザー用のオイルクリームは、乾燥防止・栄養効果・柔軟性などのエイジングに最も重要なアイテムです。
上記写真の「コロニル1909」のように、ツヤ出しと栄養補給の2つの用途が一つになったクリームもあります。
②レザー用クロス
クリームを塗ったり、汚れを拭き取ったりするためのレザークロスです。
革に優しいコットン素材で、皮革を傷つけることなく表面を拭けます。
不要な布でも代用できますが、代用する場合はコットン素材の布にして下さい。
クロスに迷ったら「コロニル」のクロスを選んでおけば間違いなし。
100年以上つづく老舗レザーケアブランドで、商品品質に高い信頼性をおけます。
③レザー用ブラシ
革財布のホコリをはらう際は、馬毛ブラシがおすすめです。
馬毛ブラシはコシがありながら毛が細く柔らかいので、細かな部分のホコリまで履き落とせます。
革財布の縫い目などは意外とゴミが溜まりやすいので、日々にブラッッシングケアに欠かせないアイテムです。
硬派な上品さを求める方には牛革財布がおすすめ
牛革(カウレザー)はレザーの代表格だけあり、繊細な質感や風合いを楽しめるレザーでした。
また厚みのある肌触りなので、硬派な上品さを求める方に特におすすめの革財布。
綺麗目すぎず、色褪せる経年変化をしっかり楽しめます。
【牛革財布の特徴】
- 繊細でキメが細かく表面が美しい
- 頑丈で長く経年変化を楽しめる
- 種類が多く質感に多様性がある
そして長くカウレザー と付き合っていくためにも、当記事でご紹介した手入れ方法を取り入れてみて下さい。
定期的にオイルを染み込ませることで、皆さんだけの牛革の表情が生まれます。
『おすすめの牛革財布』は以下のページで紹介しています。
最高品質の日本製や1万円前後のリーズナブルなブランドを厳選したので、「牛革財布を扱うショップが多すぎて迷う」という方は参考にしてみてください。