本記事では財布の価格の違いと理由を知ってもらうために、高い財布と安い財布の違いを4項目にわけて解説。素材や製法の違いがわかれば「ただ高いだけ」の財布で失敗することもなくなるはずです。
財布って安ければ1,000円台、高いものだと数十万円もしてピンキリ。「なんでそんなに高いの?ブランド力で高いだけじゃない?」というのがホンネではないでしょうか。
実際、ブランドの付加価値として高価な財布も少なくありませんが、きちんと高いだけの理由がある財布もあるんです。
このページで“良質な財布の特徴”を知り、自分にマッチするコスパに優れた財布を手にしていきましょう。
東京革財布
運営者
20代前半に土屋鞄製造所の革財布を購入し、革の魅力に目覚める。その後、WEBメディア事業主軸の会社に入社し、ライターからWEBディレクターまでを経験。革製品の魅力を広く伝えたいという気持ちが強くなり、2019年に独立して『東京革財布』を開設。これまで土屋鞄製造所、GANZO、CYPRIS、Hallelujah、SYRINXなど40種以上の財布・革製品を使用。豊富なレビュー経験とライタースキルを活かし、長く愛用してもらえる革製品と出会えるサイトづくりに努めている。
高い財布と安い財布の違い《4項目で比較》
高い財布と安い財布の大きな違いがこの4つです。
高い財布 | 安い財布 | |
---|---|---|
素材 | 本革 | 合皮・ナイロン |
製法 | コバや縫製が丁寧 | 縫製が雑だったりコバが剥がれたりする |
製造・生産場所 | 国内の自社工房 | 賃金の安い海外の工場 |
生産数 | 少ない | 多い |
【素材】動物の皮をつかった本革か、合成樹脂の合皮か
高い財布 | 安い財布 | |
---|---|---|
素材 | 本革 | 合皮・ナイロン |
財布の価格差をもっとも左右するのは、財布に使っている「素材」。
高い財布は本革を使っている商品がほとんどで、数千円の安い財布は本革に似せた合皮素材ばかりです。
本革とは《動物の皮》のこと。単純明快ですが、採れる数に限りがあるので高いというわけです。
また本革でも、動物の種類・革のランクで値段が変わってきます。
たとえばワニから採れるクロコレザーだと、20万円〜30万円する財布もあるんですよ。
本革は合皮よりも寿命が長いので、革のランクにこだわりがなければ原材料に「本革」と明記されているかチェックしてみてください。
▼本革素材の様子▼本革は動物の皮なので、人間のようにシワやシミができるんです。
一方で安い財布の素材で多いのが「合皮」。
動物の皮と違い、合皮は合成樹脂でつくられた“ニセモノの革素材”です。
100均で売られている“革っぽい素材の商品”が、それにあたります。
購入当初は本革に似たなめらかさがありますが、使い込むうちに剥げたり破けたりするのが合皮の欠点。
長持ちする財布を手にするなら、本革をつかった財布を選ぶといいでしょう。
【製法】革の断面の仕上がりや縫製の品質はどうなのか
高い財布 | 安い財布 | |
---|---|---|
製法 | コバや縫製が丁寧 | 縫製が雑だったりコバが剥がれたりする |
やはり高い財布と安い財布だと、製法による仕上がりが大きく違います。
たとえば高い革財布だと、革のコバ(断面)はきちんと手磨き。
縫製も職人が手作業で仕立てているので、かなりの手間暇がかかっているケースが多いです。
一方で安い財布は、機械で大量生産。合皮のコバは樹脂で固められていたりするので、使っていくうちに剥がれてきたりします。
「機械で均一した製造の方がクオリティーが高いのでは?」と思うかもしれません。たしかに機械で財布を造った方が、ある程度の品質は担保できます。
しかし職人が手作業で仕立てることで製品の細かな部分、たとえば《革の固さや質感》といった素材ごとの特性に目を向けて仕上げることができます。
日本特有のモノづくりの感性で仕立てていくので、機械で表現できない完成度になるんですね。こういった製造過程の手間暇があるかどうかも、財布の価格帯を分ける要因です。
【製造場所】国内生産(自社工房)か海外製造か
高い財布 | 安い財布 | |
---|---|---|
製造・生産場所 | 国内の自社工房 | 賃金の安い海外の工場 |
財布の価格差を左右する大きなポイントの一つが「生産地域」。
安い財布は生産コストを抑えるために、人件費の安い海外の工場でサイフを製造します。
一方で高い財布は、国内工場で製造。
こだわりの強いレザーブランドなどは、自社工房をかまえて財布を仕立てています。
例えばCOCOMEISTERというブランドは、自社工房で革財布を製造しています。出典:COCOMEISTER公式サイト
自社工房だと生産コストがかなり高くなるので、それだけ財布の値段も上がってしまうんです。
値段が高くなる分、メリットもあります。
自社工房で製造すれば職人と従業員と連携がスムーズになるので、財布の仕上がりをきちんとすり合わせながら製造できます。
製造ラインにコストをかけているからこその高品質とその価格帯というのは、皆まで言わずともわかるはずです。
【生産数】生産数が少ない=希少なので高くなる
高い財布 | 安い財布 | |
---|---|---|
生産数 | 少ない | 多い |
きちんと素材にこだわり職人仕上げのブランドの財布なら、生産数が少ないのも高価格帯になる理由です。
当たり前ですが、生産数の少ない希少な財布ほど高価。
高い財布は職人の手仕上げだったり希少な原皮だったりして、生産数を確保できません。
安い財布は量産できる合皮なので、生産ラインさえ整っていれば大量生産できます。
「安くしてジャンジャン売る」というポピュラーな仕組みなので、安くてナンボなんですね。
《安い財布=長持ちしない》ではなくなってきている
最近では1万円以下の本革をつかった安くて上質な財布が増えてきています。
本革財布なら、合皮のように剥がれたり破けたりするはなし。
素材や製法をチェックすれば、「安くても長持ちする財布」を手にすることができますよ。
本革なのに安い財布を提供しているブランドは、店舗を持っていない通販限定ブランドが多いですね。
店舗の運営費をカットすることで、商品のコストを最小限まで抑えられているわけです。
革のランクや自社工房製造にこだわらないなら、《本革を使っているか》だけでも最低限チェック。
そうすれば「安いだけの粗悪な財布」で失敗することもありません。
◎下記ページでは、1万円以下〜1万円台の安い本革財布のおすすめブランドを厳選紹介しています。
「コスパに優れた財布を探している方」に読まれてい2つの記事。あわせて一読してみてください。
「高い財布は金が貯まる」というわけではない
高い財布を使えばお金が貯まりやすい、というイメージを持っていませんか?
実際のところ、高価な財布をつかってもお金が貯まりやすいことはないんです。
消費生活アドバイザーの方曰く「高い財布を使っている人は、それに見合った収入があるから持っているだけ」とのこと。
「高い年収の人は財布を買う予算をたくさん出せるから、高い財布を持っている」からに過ぎないからです。高い財布でムダづかいがなくせるわけではないのです。
(出典:NIKKEI STYLE)
むしろリーズナブルな財布の方がお金が貯まりやすいそうです。
高い財布を持っていると、
- それに相応しい金額を財布に入れとかなきゃ
- せっかく高い財布を買ったから、もっと財布を使わなきゃ
と思っちゃいますよね。
高い財布だとこういったバイアスがかかってしまうので、リーズナブルな財布の方がお金が逃げにくいというわけです。
誕生日や自分へのご褒美なら少し背伸びした財布を手にするのもアリですが、単に財布を買い換えるだけなら身の丈に合った財布を検討してみてはどうでしょうか。
まとめ:素材や製法の違いがわかれば、財布選びで失敗しない
高い財布と安い財布の主な違いは、素材や製法、生産地域などでした。
高い財布 | 安い財布 | |
---|---|---|
素材 | 本革 | 合皮・ナイロン |
製法 | コバや縫製が丁寧 | 縫製が雑だったりコバが剥がれたりする |
製造・生産場所 | 国内の自社工房 | 賃金の安い海外の工場 |
生産数 | 少ない | 多い |
これらの違いを知っておけば、「ただ高いだけの財布」「安いだけの粗悪な財布」で失敗することもなくなるはずです。
とはいえ、やはりみなさんの好みで選ぶのが一番。
その上で財布選びに迷った時は、当記事の内容が役立てば幸いです。
革財布の買い替えを検討している方は、下記ページもあわせて目を通してみてください。
職人仕上げや日本製の本格派の革財布をピックアップしています。